真珠の微熱98

真珠の微熱98

この男もまた長身でスーツを

見事に着こなしている。

うわあ、チャン先輩

素敵ですね。

ふふっモデルさんみたいだわ。

長い髪を結わえピンストライプの

スーツを着たチャンビンは

医師というよりは

ファッションモデルのようだ。

ありがとう、ウンス。

でも、君の方が私の100倍素敵だよ。

そのドレス、ウンスに良く似合ってる。

眩しそうに目を細め

優しい笑顔で返す。

えへへ、

このドレスはノググさんが

プレゼントしてくれたんですよ。

そういってショールを広げて

くるりんとターンする。

ウンス!!

慌ててチェヨンがショールで

胸元を隠す。

ん、もう。

せっかくチャン先輩が褒めて

くれたのよ。ちょっとぐらい

ドレスを見てもらっても

良いじゃないの。

ぷうっと頬を膨らませ

抗議するウンスに駄目だと

首を振る二人をみて

チャンビンが吹き出した。

くくくっ

相変わらずだなチェ部隊長。

せっかく素敵なドレスを

着てるんだ。ウンスだって

みんなに見てもらいたいよな。

あんまり妬いてばかりいると

愛想尽かされますよ。

珍しく慌てるチェヨン

ここぞとばかりに揶揄う。

もう、チャン先輩ったら、

揶揄わないでくださいよ。

そういって見上げてくる可愛い

後輩からは女の色香が漂っていた。

ずっとずっと大切に

想いを寄せていたウンスを

女として開花させたのが

自分ではないことに

少しの寂しさを感じていた

チャンビンだった。

それでも幸せそうに笑う

ウンスを見るだけで安心する。

招かれたテーブルは円形で

ウンスの隣りはチェヨン

反対側にはチャンビンが座る。

顔見知りを一緒のテーブルに

してくれたのはノググさんの

配慮だろう。

式典は華やかに行なわれ

ノググさんも隣りに

座るカンヌン様と、時たま

見つめ合い幸せそうに

微笑んでいる。

今日のノググさんは

豪華な総レースの

ウェディングドレスを着て

いつもよりとても綺麗だ。

うわぁノググさん綺麗

両手を祈るように組み

うっとりと呟くと

両サイドから同時に声があがる。

ウンスのほうが綺麗だ。

左側に座るチェヨン

小さく舌打ちして

チャンビンを睨む。

ああ、すみません。

口説いてる訳では無いんです、

つい正直な感想が口を出てしましたした。

やだわ、チャン先輩ったら!

澄ました顔でチェヨンに告げると

ウンスにはニッコリと微笑んだ。

チャンビンが褒めるのも

無理は無い。今日のウンスは

一際光を放っている。

それだけに地位のありそうな

お偉いさん達の子息、令嬢が

このテーブルにチラチラと

視線を送っている。

ウンス、きちんとショールを

羽織っておけ。

忌しげに舌打ちしながら

ウンスに注がれている視線を

遮るように座り直す。

その様子を見て悪戯に

チャンビンが笑い問いかける。

ウンスの恋人は大変な

ヤキモチ焼きですね。

うーん

ヤキモチ焼きっていうか

心配性なんです。

ほらっ、事件に巻き込まれて

色とあったから。

相変わらず、ど天然なところは

変わらない。チェヨン

心配性はヤキモチから

きているのがこの綺麗な恋人には

伝わっていないらしい。

くくくっ、チェ部隊長も

気苦労が絶えませんね。

ん?なんでですか。

どうしてヨンが苦労するの?

いや、何でもない。

ウンスのそういう所を私は

好きなんですよ。

クックックッ!

なんか馬鹿にされてる気が

するんですけどチャン先輩

見た目や雰囲気がどんなに

変わろうと可愛い後輩は大学で

初めて出会った頃と

中身はちっとも変わらない。

昔も同じような台詞を言われた

ことを思い出し、

二人で顔を見合わせた。

ぷっ!あはは!

そんなウンスと学生の頃みたいに

笑いあう。

おい!

今まで周囲を威嚇していた恋人が

こめかみに癇癪筋をたて

短く声を張る。

なあに、何を怒ってるの?

無邪気に首を傾げられ

にっこりと極上の笑みを向けられたら

難しい顔を保つのは無理だ。

いやっ何でもない

それより料理がくるぞ

料理とい囁かれ

瞳を輝かせるウンスに

男二人がくすりと笑う。

前菜はコンソメゼリーと

平目のマリネ

んんっ、美味しい!

サラダにスープは

かぼちゃのポタージュと

目の前に料理が置かれる度に

小さく歓声をあげて口に運ぶ。

魚料理が運ばれてくると

給仕に来たホテルのスタッフに

シャンパンまで頼んでる。

ウンス、あんまり飲むなよ。

慌てたチェヨンが隣りで

釘を刺していた。

分かってるわよ。

でも、ちょっとぐらい

いいじゃないの、

今日はおめでたい日なんだから。

酒好きなウンスがグラスに

注がれたシャンパンを

くいっと飲み干す。

はあ、とチェヨン

ため息が溢れた。

メインであるフィレ肉の

ズッキーニ添えが

運ばれてくる頃には、

アルコールで白い肌がほんのりと

薔薇色に染まる。

血行の良くなった滑らか肌は

見ていて目の毒だ。

小ぶりだが上質の肉に

ナイフを入れぱくりと口に入れる。

ふあっ柔らかいもぐっ

おいひいもぐっ

フィレ肉に掛けられた

バルサミコソースがまた絶品だ。

くるんとした瞳を細めながら

幸せそうな顔をする。

んんっ、ねえ、ヨンァ

私達も食事が美味しいところで

結婚式を挙げましょうね。

くくっ、そうだな。

ウンスにはそれが一番の条件だろう。

ウンスらしい提案に

つい頬が緩んでしまう。

そこへチャンビンが

気の毒そうに言葉をかけた。

ウンス残念だけど

花嫁さんは食事をしないよ。

こんにちわ

kenちゃんでふ

お待たせ致しました

次回は別館でございます

艶話はちょい時間がかかるので

少し時間をください

只今絶賛執筆中

推敲もあるので来週中には

アップする予定です

お楽しみにお待ちくださいね

kenkomi3より愛を込めて